Chapter 1

低音弦のメロディ練習 / 愛しのクレメンタイン

P指で低音弦のメロディを弾く復習になります。 ここまでは、異弦同フレットの⑤弦「ド」と⑥弦「ソ」の音は、 「4=小指」「3=薬指」の2本の指を使って練習してきましたが、 この練習と同時に「3」のみで⑤⑥弦を飛び越える動作にも慣れていきましょう。

このアメリカ民謡の「愛しのクレメンタイン」のメロディに慣れたところで、 和音練習「C G7 Dm」で覚えたコードを加え、次の項「独奏編」に挑戦してみましょう。

◆フェルマータ

最後の小節「ド」の音の上に表記されている記号は「フェルマータ」といい、 臨時に拍の進行を停止させ、音符や休符の定められた時間を延長する際に用います。 デザインの由来には諸説あるようですが、 1日の終わりである『日没』を表している~とされています。


愛しのクレメンタイン / 独奏編

日本では山男を題材とした明るい曲「雪山讃歌」として有名な『愛しのクレメンタイン』は、 元々はバラード調の悲しい歌で、1884年にパーシー・モントローズ(Percy Montrose)作曲のアメリカ民謡です。 映画「荒野の決闘」(1946)、映画「バック・トゥ・ザ・フューチャー3」(1990)、 韓国ドラマ「春のワルツ」(2006)などの劇中曲としても親しまれています。

・③②①弦の和音は、「i=ひとさし指」「m=中指」「a=薬指」で、
・3小節目、②①弦の和音は「i=ひとさし指」「m=中指」で弾きます。


・③②①弦の和音は、「i=ひとさし指」「m=中指」「a=薬指」で、
・3小節目、②①弦の和音は「i=ひとさし指」「m=中指」で弾きます。

◆左指の運指について
最初に登場する「C」のコードは、楽譜に指定されている通りの運指を使うと、 「4」の押さえが、少々、難しいかもしれません。 また、アウフタクトの「ド」の音を「3」で押さえ、 1小節目の2拍目の「ド」から「ソ」に移る際に飛び越えるパターンを使うと、 慣れないうちはメロディの音が切れてしまう恐れがあります。 どちらを選択しても、それぞれ異なる難しさがありますから、 ジックリと時間をかけながら、この2つのパターンに慣れましょう。

◆右指「P+ima」の弾き方
この曲中には、「P指」の低音と「ima指」による和音を同時に弾く部分があります。
・低音が⑤弦「ド」+「C」コード。
・低音が④弦「ミ」+「C」コード。
・低音が④弦「ファ」+「Dm」コード。
・低音が⑥弦「ソ」+「G7」コード。


この様な「P+ima」の部分は、以前、練習した「和音の弾き方 / ①②③弦の和音」の項を応用して、
1. 「P+ima」の指先が弦に触れ、(=接弦)
2. 弦が指の上を移動して爪に到達、
3. 爪の先端で弦をとらえつつ、パワーを加え、
4. 表面板に対して垂直方向に腕を移動させて指先を滑らせ、
5. 指が弦から離れ、(=離弦)
6. 弦が振動して音が出る。
以上の点を意識しながら熟練度をアップ、将来的には、低音と和音の音量バランスを変化させ、 低音のメロディを強調するという技術も習得していくことになります。