Chapter 1

①②③弦の和音 / 左指の押弦

ここでは「コードダイアグラム」の解説内で登場した3つの和音を弾いてみましょう。
まず、左手で押弦するフレットの位置を確認しつつ、右手imaの指を③~①弦にセットします。

1. imaの指先が弦に触れ、(=接弦)
2. 弦が指の上を移動して爪に到達、
3. 爪の先端で弦をとらえつつ、パワーを加え、
4. 表面板に対して垂直方向に腕を移動させて指先を滑らせると、
5. 指が弦から離れ、(=離弦)
6. 弦が振動して音が出る。


この楽譜は、ひとつの小節の中に4分音符が3つある「3拍子」で書かれていますが、
和音の弾き方に慣れるまでは、リズムやテンポのことより、
弦に触れている指先(=タッチ)と、腕の動作(=アクション)に意識を集中させましょう。


低音と和音の交互弾弦

前回、練習した「C G7 Dm」に低音が加わり「ima指」と「P指」を交互に使う練習をします。
1段目の低音は、それぞれのコードの基音(=Root)になっていますが、2段目以降は変化しています。 特に、7小節、11小節の「Dm」は、「④弦」「ファ」の音を「3=薬指」で押さえることから、 4本すべての左指を使うことになるので、過度な『力み』が生じないように注意しましょう。

1. 音符、指番号、コードダイアグラムを見ながら左指の押弦位置を確認。
2. 1小節目「C」に求められる「3」「1」の指を、⑤弦3フレット、②弦1フレットにセット。
3. 続いて左指を脱力。押弦していたフレットのすぐ真上で待機させます。
4. 再び、1小節目の「3」「1」の指をセット。指先に意識を集中させながら~、
5. 押弦に必要な『最小限の力』が、どの程度なのか?を確認します。
6. ここでまた左指の力を抜いて、フレット上で待機。
7. 上記の作業を繰り返し、「1」と「3」、2本の指の『各関節の角度』を確認します。

およそ「C」の動作を把握したら、「G7」「Dm」の「押弦+脱力」の繰り返し練習に入ります。
3種類のコードの動作に慣れたところで、最後に右手を使って音を出してみましょう。
上記、作業のポイントは2つあります。

第一は、押弦に必要な『最小限の力』を知ることです。
実は、押弦に必要な力は、それほど大きなものではありません。 押さえる力が弱すぎると、振動する弦とフレットが接触して雑音が生じてしまいますが、 この問題を回避できる程度の力を加え、雑音が生じない押弦に成功したなら、 それ以上、力を加える必要はないのです。まずは、この感覚を養うことがテーマになります。

第二は、和音と低音を押さえるのに適した『フォーム』を作ることです。
フォームとは無意識のうちに理想的な姿勢や動作の「型」ができるようになることです。

例えば、4本の指を使う「Dm」の場合なら、「3の指は、この角度」「2の指は、こんな感じ?」と、 一つ一つの指を意識によってコントロールしながら、左指関節の角度を覚える必要がありますが、
押弦と脱力の動作を繰り返すうちに、神経の中の回路が活動するようになり、 頭の中で「Dm!」と思い浮かべるだけで求められる左指の「型=フォーム」を作ることが可能になります。