アルペジオについて
アルペジオ(分散和音)は、「ハープを演奏する」という意味のイタリア語を語源としており、
音の余韻の長い鍵盤楽器や撥弦楽器などで効果を発揮する弾き方で、
和音を構成する音を「1音ずつ順番に奏でる」「分けて演奏する」ことをいいます。
◆歌や重奏の伴奏パートを演奏する際、小節内の和音を分けて奏でる場合。
◆小節内の多く、または曲全体がアルペジオで構成されているソロ曲の場合。
◆曲のテンポ感を表現する技術として和音の左側に縦向き波線記号が付いている場合。
この波線記号もアルペジオの一種といえますが、
ギターの場合「アルペジオ」の意味合いとしては、前述の2つの例のケースのイメージが強く、この記号が付いていた場合は、
あえてアルペジオという単語は使わずに「和音を分けて弾く」「バラして弾く」「各音、時間差をつけて弾く」といった、
具体的な表現を用いるようです。
またこの記号が付いていない和音でも、緩やかなテンポ感を表現したい時に使うケースもあり、
「どの部分で使うか?」については演奏者の感性に委ねられています。
◆和音の左側にある縦向き波線記号の下に「P記号」が付いている場合。
これもアルペジオの一種ですが、1つの和音を⑥弦~①弦にむけて「P=親指1本で弾く」ことから、
スペイン語の「親指=plugar」を語源にして『プラガール奏法』と呼ばれています。
◆和音の左側にある縦向き波線記号の下に「a記号」が付いている、
もしくは、和音の高い音から低い音にむけて「a指」が指定されている楽譜の場合。
①弦~⑥弦方向にむけて「a=薬指1本で弾く」という意味です。
プラガール奏法とは真逆の音形になるので「逆プラガール」でも意味は通じるかもしれませんが、
そもそも「親指=plugar」で弾いているわけではないので違和感のある名称かもしれません。
あえて言えば、スペイン語の「薬指= anular」から『アヌラール奏法』とでも呼ぶべきかもしれませんが、
登場する機会が少ないこともあってか、この弾き方には名称が付けられていません。
以上、アルペジオに関する事柄を述べてきましたが、まず最初は、
歌や重奏の伴奏パートを演奏する際に用いられるアルペジオのパターンからマスターしていきましょう。