波線記号のアルペジオ
『縦向きの波線記号』で書かれた和音には、
前項で解説した「P指」のみで弾くプラガール奏法の他に、
以下の楽譜のように、「Pima」=4本の指を使ったパターンがあります。
「A」-- 高音弦の和音=3つの音を、ima指で弾くタイプ。
「B」-- 低音+高音弦の和音=4つの音を、Pimaで弾くタイプ。
「C」-- ⑥弦から①弦の和音=6つの音を、PPPimaで弾くタイプ。
上記3種のうち「C」タイプは、プラガールの時と同じ音形になりますが、
中級者以上の複雑な音形を持つレパートリーを演奏する際に、
この様な運指を用いる場合がある~とだけ覚えておき、
まずは、「A」と「B」のパターンからマスターしていきましょう。
imaによるタイムラグ・アルペジオ
・③②①弦の和音にタイムラグをつけたパターンを練習します。
・今回は右指がテーマなので、左指はセーハの無い「Am Dm E7」を用いています。
・慣れないうちは、開放弦のみで練習してみるのも良いでしょう。
・完成形は、以下のような楽譜になります。
◆第1段階 練習番号「A」
和音の基本型=アコードのパターンを使って、高音弦に「ima」3本の指を同時にセット、
加えたパワーに対して反発してくる弦の張力に耐えながら、
弦が爪の先端を滑って離弦する~この行程を再確認しておきます。
◆第2段階 練習番号「B」
側面板に乗せている右肘を軽く浮かし、
肩、肘、手首の関節が動かせる状態にあることを確認できたら、
高音弦に「ima」3本の指を同時にセット、手首の関節を、やや内側に曲げながら、
腕全体を表面板とは逆方向に浮かして、指先がimaの順に弦から離れていくようにしていきます。
この時、指先を能動的に屈曲させないように、
また、指先を弦にセットさせずに、空中から弦を叩くような動作にならないように注意しましょう。
◆第3段階 練習番号「B」
軽く浮かせていた右肘を側面板に乗せ、高音弦に「ima」3本の指を同時にセット、
手首のスナップを効かせながら、腕全体を使ってimaを離弦させるように心がけます。
この時、手首の動きと共に右肘が側面板から離れたり、離弦後にima指が内側に曲がるのは構いません。(写真:下)
◆第4段階 練習番号「C」
手首の使い方に慣れたところで、弦に加えるパワーを維持させながら、
肩、肘、手首の関節の動きを、だんだん小さくしていきます。
練習開始当初は、腕全体の使い方や接弦から離弦に意識を集中させてきましたが、
ある程度、慣れてきたら、ima指の離弦後、次の弾弦への準備動作を意識してみましょう。