連続弾弦 / 逆プラガール
「ima指」の爪の長さを見極める方法としては、
「P指」の際に用いた『プラガール奏法』の音形を逆にして、
①弦から⑥弦方向にむけて「i指」1本(=もしくはm指のみ、a指のみ)の連続弾弦を試してみると良いでしょう。
(※この弾き方には「○○奏法」という固有の名称がないので、「プラガールの逆の音形で弾く」という意味で、
これ以降は『逆プラガール奏法』と記すことにします)
右手の「ima指」には「A」「B」「C」の部分に関節がありますが、(写真:上)
前項の「P指」によるプラガールの時と同様に、これら3つの関節を適度に固定させながら、
指先を①弦から⑥弦方向に滑らせていきます。
この楽譜には代表例として「i」と表記してありますが、
ある程度、慣れたところで「m」と「a」による練習も行うと良いでしょう。
◆関節の固定化
「C」-- 指の付根部分にある、この関節は、ほぼ、固定状態にあるといえます。
「B」-- この関節を能動的に屈曲させると、離弦後の指先は空中に向かうので、
連続弾弦=逆プラガールが不可能になります。
離弦直後、加えていたパワーが開放され、その反動によって、やや内側に曲がるのは構いません。
「A」-- 過度な脱力によって関節可動域の限界まで指を反らしてしまうと、
指先で弦をコントロールしていることにはならないので注意が必要です。
逆プラガールの場合、この関節の緩め具合がポイントになるでしょう。
湾曲している爪の整え方 / ima編
「ima指」の場合、指の真横部分に弦が接触するわけではないので、
湾曲部分を伸ばしていると離弦することが不可能になる~ということはありませんが、
一度、爪で弦をとらえた上で、任意の方向にパワーを加え、
弦の振動方向をコントロールさせる~ということを考えると、
やはり湾曲部分は削り落としておいた方が良いでしょう。
金属製の「平ヤスリ」を使って、おおよその形を作った後は、
「半丸ヤスリ」に持ち替え、爪側面の湾曲している部分に切れ込みを入れながら削り落としていき、↓
最後に「紙ヤスリ」を使って、弦と接触する爪の裏側部分を丁寧に磨きあげていきます。
それぞれの指を横側から撮影してみると、
指側面の湾曲部分を削り落としていることが確認できると思いますが、
爪の生え際が見える方向からは、ほぼ指の輪郭に沿った形になっています。↓
今回は、爪が長く伸びた状態からの削り方を解説しているため、
金属製の「平ヤスリ」を多用していますが、
通常は、紙ヤスリでは処理できない「半丸ヤスリ」を使った湾曲部の調整と、
爪の裏側と断面を仕上げる、1000番~2000番の紙ヤスリで対応できるでしょう。
◆逆プラガール
・弦を表面板方向に押し込もうとせずに、
・爪で①弦をとらえながらパワーを加え、
・爪の先端から①弦が離れた瞬間に、②弦にパワーが加えられるように、
・一度、皮膚に触れてからパワーを加える地点まで滑らせる行程なしに、
・離弦直後に到達する次の弦の接弦地点が、パワーを加える地点になるようにして、
・接弦と離弦を繰り返していきます。
◆逆プラガールに表情をつける
関節「A」の固定度合いを強めながら音量をアップさせていき、
逆に関節「A」を緩めながら音量をダウンさせてみましょう。
また、右腕の移動速度の増減によって、テンポを変化させます。
・移動速度を一定に保ちつつ、
①弦から⑥弦にかけて、クレシェンド(=だんだん大きく)する。
①弦から⑥弦にかけて、デクレシェンド(=だんだん小さく)する。
・音量を一定に保ちつつ、
①弦から⑥弦にかけて、accel.アッチェレランド(=テンポをだんだん速く)する。
①弦から⑥弦にかけて、rit.リタルダンド(=テンポをだんだん遅く)する。
・上記2種の複合練習
アッチェレランド+クレシェンド。(速度を上げつつ、音量を大きくしていく)
リタルダンド+デクレシェンド。(速度を落としつつ、音量を小さくしていく)