ハイポジションの音階
◆左指先端部の指板への入射角
ローポジションの場合、左指をフレット幅に合わせながら広げるには、
左指の先端部を指板に対して斜めにすることがポイントになります。(写真:左)
しかしミドルポジションになると、左腕(=肘から手首の部分)とネックの角度が変化すると同時に、
フレット幅が狭くなっていることもあり、斜めに傾ける度合いは少なくて済みます。(写真:右)
この「斜めのフォーム」と「直角のフォーム」を、
ポジション移動に合わせて使い分けていくと良いでしょう。
【5フレットポジション ハ長調の音階】
今回の音階には、左腕を左右に動かす「ポジション移動」の要素がありませんので、
使用する4本の指を、なるべくゆっくりと動かしながら、
押弦する薬指の先端部が、指板に対して、ほぼ直角になるように意識してみましょう。
「5フレット」→「1=ひとさし指」~「ド・ミ・ラ」
「6フレット」→「2=中指」~「ファ」
「7フレット」→「3=薬指」~「レ・シ」
「8フレット」→「4=小指」~「ソ・ド」
★上行音階【ド→レ】
「ド」----③弦を「1」で押弦。(写真:左)
「レ」----「1」を離しながら「3」を押弦。(写真:右)
★上行音階【ミ→ファ→ソ】
「ミ」----「3」を離しながら②弦を「1」で押弦。
「ファ」--「1」「2」を押弦。(写真:左)
「ソ」----「1」を離しながら「2」「4」を押弦。
★上行音階【ラ→シ→ド】
「ラ」----「2」「4」を離しながら①弦を「1」で押弦。
「シ」----①弦を「1」「3」で押弦。
「ド」----①弦を「1」「3」「4」で押弦。(写真:右)
★下行音階【ド→シ→ラ】
「ド」----「1」「3」「4」を押弦。
「シ」----「4」を離して「1」「3」を押弦。
「ラ」----「3」を離して「1」のみ押弦。
★下行音階【ソ→ファ→ミ】
「ソ」----②弦を「2」「4」で押弦しつつ「1」を離し、(写真:左)
「ファ」--「4」を離しながら「1」を②弦5フレットに移動、「2」で押弦。(写真:右)
「ミ」----「2」を離して「1」で押弦。
★下行音階【レ→ド】
「レ」----「3」を押弦しつつ「1」を離し、(写真:左)
「ド」----「3」を離しながら「1」を押弦。(写真:右)
【5~10フレットポジション ハ長調の音階】
・前項の音階に、更に高音域の音階が加わっています。
・右手は全て「a=薬指」で弾きます。
・「P.5」は、左手「1=ひとさし指」が「5フレットポジション」に、
・「P.10」は「10フレットポジション」に位置することを示しています。
上行音階では①弦の「ラ→シ→ド」を使って「P.10」に移動しますが、
下行音階では①弦ではなく、②弦の「ド→シ→ラ」を使って「P.5」に移動します。
★P.5 ③弦 上行音階【ド→レ】
「ド」----③弦を「1」で押弦。
「レ」----「3」を押弦しつつ「1」を離す。(写真:左)
★P.5 ②弦 上行音階【ミ→ファ→ソ】
「ミ」----「3」を離しながら②弦を「1」で押弦。
「ファ」--②弦を「1」「2」で押弦。
「ソ」----「2」「4」を押弦しつつ「1」を離す。(写真:右)
★P.5 ①弦 上行音階【ラ→シ→ド】
「ラ」----②弦の「2」「4」を離しながら①弦を「1」で押弦。
「シ」----①弦を「1」「3」で押弦。
「ド」----①弦を「1」「3」「4」で押弦。(写真:左)
★P.10 ①弦 上行音階【レ→ミ→ファ】
「レ」----「3」「4」を離しつつ、①弦10フレットに「1」を移動して押弦。
「ミ」----①弦を「1」「3」で押弦。
「ファ」--①弦を「1」「3」「4」で押弦。(写真:右)
★P.10 ①弦 下行音階【ファ→ミ→レ】
「ファ」--①弦を「1」「3」「4」を押弦。
「ミ」----「4」を離して「1」「3」で押弦。
「レ」----「3」を離して「1」のみ押弦。
★P.10 ②弦 下行音階【ド→シ→ラ】
「ド」----②弦を「3」「4」で押弦しつつ、①弦の「1」を離し、(写真:左)
「シ」----②弦の「4」を離しながら「1」を②弦10フレットに移動、「3」で押弦。
「ラ」----「3」を離して「1」のみ押弦。(写真:右)
★P.5 ②弦 下行音階【ソ→ファ→ミ】
「ソ」----「1」を②弦5フレットに移動、「2」「4」で押弦。(写真:左)
「ファ」--「4」を離しつつ「2」で押弦。
「ミ」----「2」を離して「1」のみ押弦。
★P.5 ③弦 下行音階【レ→ド】
「レ」----③弦を「3」で押弦しつつ、②弦の「1」を離し、
「ド」----③弦の「3」を離しながら「1」を押弦。(写真:右)
◆まとめ
・ポジションとは左手の位置を「1=ひとさし指」が押弦するフレット番号で示したもの。
・各ポジションにおける、フレットの間隔の違いに慣れましょう。
・「1=ひとさし指」を弦に軽く触れたまま、指先を滑らせるように移動します。
・斜めのフォームと直角のフォームを使い分けます。
・ポジション移動の前に、移動先の目的地(=フレット)に視点を切り替えておきます。